今回、いわの美術がお買取したお品物は、寺崎広業の掛軸です。
寺崎広業は、南画の筆致を加えた独自の画境を風景画で作り上げた事で、「東の広業、西の栖鳳」と言われ、竹内栖鳳と日本画壇の中心的存在として知られています。
お買取した掛軸は、代表的な寺崎広業の作風とは少し変わった印象を受ける作品でしたが、外箱、落款ともに寺崎広業のものと確認する事ができ、評価させて頂きました。
掛軸はシミが浮き出ていましたが、象牙軸で肉筆の作品でしたので買取を行いました。
寺崎広業は秋田県出身の日本画家で、幼い頃から絵を描く事が好きな少年でした。
本名の読みは「ひろなり」ですが、周りからは「こうぎょう」と呼ばれていた事から、画家になった際に号として使用する事にしました。
他にも宗山、天籟山人という号を使用しています。
画家になりたての頃は画業だけで生計を立てる事が難しく、苦悩の日々が続いたようです。
遊歴画家として修行を積み、第三回内国勧業博覧会で入選すると、次々と頭角を表わし、売れっ子画家として成功を収めましたが、咽喉ガンによって53歳という若さで亡くなっています。
いわの美術では、寺崎広業以外の作家の掛軸の買取を行っており、作家によって買取額が変わってきます。
また、シミ、汚れ、シワ、破れなどが少なく、共箱と呼ばれる木箱や軸に象牙や黒檀、紫檀などを使用している掛軸には高価買取となる場合が多いようです。
お問合せの際は、誰の掛軸なのか、どのような絵が描かれているのかお伝え下さい。
また、掛軸には「絵」以外にも「書」が書かれているものもあり、こちらも買取る事ができるお品物です。
掛軸のご売却をお考えでしたら、まずはいわの美術までご相談下さい。
