今回、いわの美術がお買取したお品物は、九谷庄三の庄三高砂図平鉢一対です。
江戸時代後期〜明治時代に活躍した陶画工である九谷庄三は、九谷焼中興の祖と言われ、後の九谷焼に大きな影響を与えた人物でした。
特に日本に輸入された洋絵具を誰よりも早く取り入れた事で、これまでの顔料釉薬では表現できなかった中間色の絵付けに成功し、「彩色金襴」という技法を確立し、精緻な九谷上絵を定着させ、当時の外国人たちの好みであったため商人たちがこぞって大量輸出していました。
のちにこの作風は「庄三風」と呼ばれ、九谷焼の作風の中でも重要な位置づけとなり、九谷庄三の工房では多くの職人たちが制作にあたりました。
九谷庄三は11歳から上絵付の陶工として活躍を見せており、その才能が買われ、九谷焼中興期の窯元の一つである小野窯で絵付に従事していました。
その時に古酒屋(こざかや)孫次、粟生屋(あおや)源右衛門らから学んでおり、その影響が見られる作品を制作しています。
それは小野銘で伝世されている赤絵細描金彩や赤絵を中心とする色絵細描の作品からも見る事ができます。
この事からも、今回お買取した九谷庄三の作品は、細かい上絵付ですが箱書きに「庄三高砂図平鉢一対」と書かれている事から、おそらく九谷庄三本人の作ではなく、工房の職人たちによるものだと思われます。
そのため、驚くほどの買取額にはなりませんでしたが、九谷庄三工房の作品でも作品によっては買取額が高くなっており、こちらのお品物もなかなか高い評価で買取らせていただきました。
九谷庄三の作品は非常に人気が高く、制作された時代も古い事から中古市場でも高値で取引されています。
そのため、贋作も多く出まわっており、「九谷庄三本人の作品」といわれている作品のうち90%は贋作とまで言われています。
なかなかこういった作品の真贋を見極めるのは簡単な事ではなく、確かな鑑識眼や経験が必要になってきます。
いわの美術では年間に多くの買取実績を誇り、しっかりとした鑑定を行ってきました。
また、鑑定・査定においては無料で行っており、日本全国を対象としています。
ご自宅に九谷庄三の作品はございませんか?いわの美術であれば、しっかりとお品物を拝見し、お品物の価値と市場価格を踏まえて九谷庄三の作品の買取を行っておりますので、お気軽にお電話、メールにてご相談下さい。